世界的に接種が進められた新型コロナウイルスワクチン。その一方で、接種後に原因不明の体調不良が続く「ワクチン後遺症」に苦しむ人々がいることも事実です。これまで様々な憶測が飛び交ってきましたが、2025年、その原因究明に繋がる可能性のある重大な発見が報告され、大きな波紋を広げています。
米イェール大学の世界的権威である岩崎明子教授の研究チームが、「ワクチン接種後、体内で作られるスパイクタンパクが消えずに残り、後遺症の原因になっている可能性がある」という論文を発表したのです。これは、「週刊文春」でも大きく報じられ、これまでの国の説明を覆しかねない内容として注目を集めています。
この記事では、多くの人が抱える以下の疑問に答えるため、最新の研究報告と専門家の見解を基に、情報を徹底的に調査・解説します。
- コロナワクチン後遺症の具体的な症状とは何か？
- 原因と指摘される「スパイクタンパク」とは一体何なのか？
- スパイクタンパクが「消えない」「残る」というのは本当なのか？
- もし体内に残ると、どのような影響があるのか？
- 「2週間で消える」とした厚生労働省の説明は嘘だったのか？
- この問題について、私たちは何を信じ、どう向き合えば良いのか？
ワクチン後遺症に悩む方、ご家族や友人にそのような方がいる方、そしてワクチン接種後の自身の体調に不安を感じているすべての方にとって、この記事が現状を正しく理解するための一助となれば幸いです。
1. コロナワクチン後遺症とは？イェール大学の重大発見が示す新たな可能性
まず、現在問題となっている「コロナワクチン後遺症」とはどのようなものなのでしょうか。イェール大学の岩崎明子教授が研究対象とした、患者が訴える具体的な症状や、研究の背景について詳しく見ていきます。
1-1. 後遺症に苦しむ人々の具体的な症状とは？
岩崎教授の研究によると、ワクチン後遺症を訴える患者からは、多様な症状が報告されています。これらは、接種直後に多くの人が経験する副反応と似ていますが、その不調が数週間、数ヶ月、場合によっては年単位で持続する点に大きな違いがあります。
具体的に報告されている主な症状は以下の通りです。
- 過度の疲労・倦怠感: 少し動いただけでも極度に疲れてしまう。
- 神経系の異常: チクチク感やしびれ、体の中でスマホが震えているような奇妙な感覚（インターナルバイブレーション）。
- ブレインフォグ: 頭に霧がかかったように思考力や集中力が低下する。
- 睡眠障害: 寝付けない、夜中に何度も目が覚めるなど、睡眠を維持することが困難。
- その他の症状: 耳鳴り、痛みなど。
これらの症状は日常生活に深刻な支障をきたすことがあり、患者のQOL（生活の質）を著しく低下させる要因となっています。
1-2. 世界的権威・岩崎明子教授が警鐘を鳴らす「ワクチン後遺症」研究の背景
岩崎明子教授は、免疫学とワクチン研究における世界的権威であり、2024年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出された人物です。彼女は元々、新型コロナウイルス感染症の後遺症（Long COVID）の研究を進めていました。
その過程で、「コロナには感染していないが、ワクチンを接種してから体調が悪化した」と訴える人々が複数いることに気づきます。ワクチン接種を推奨してきた免疫学者として、この問題を看過できないと感じた岩崎教授は、強い責任感から「ワクチン後遺症」の研究に着手したと語っています。
1-3. コロナ後遺症とワクチン後遺症の違いは「ヌクレオカプシド」の有無
症状が非常に似ている新型コロナウイルス感染後の後遺症と、ワクチン後の後遺症。両者はどのように見分けられるのでしょうか。岩崎教授によれば、その鍵は「ヌクレオカプシド抗体」の有無にあるといいます。
ヌクレオカプシドとは、ウイルスの殻の部分を構成するタンパク質です。自然感染した場合、このヌクレオカプシドに対する抗体が体内で作られます。一方、mRNAワクチンはスパイクタンパクの情報しか含まないため、接種だけではヌクレオカプシド抗体は産生されません。
したがって、血液検査でヌクレオカプシド抗体が陰性であれば、その症状は自然感染によるものではなく、ワクチン接種に関連している可能性が高いと判断できるのです。
2. 【文春砲】スパイクタンパクが消えないは本当？原因とされる衝撃の事実
今回の研究で最大の焦点となっているのが「スパイクタンパク」の残存です。これまで「短期間でなくなる」と説明されてきたものが、なぜ後遺症の原因として浮上してきたのでしょうか。ワクチンの仕組みから最新の研究結果まで、核心に迫ります。
2-1. スパイクタンパクとは何か？ワクチンの仕組みを分かりやすく解説
そもそもスパイクタンパクとは何でしょうか。これは、新型コロナウイルスの表面にあるトゲ状の突起のことです。ウイルスは、このスパイクタンパクを使って人間の細胞に結合し、侵入します。
ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンは、このスパイクタンパクの設計図（mRNA）を脂質の膜に包んで体内に届けます。すると、体内の細胞がその設計図を基にスパイクタンパクを自ら作り出します。作り出されたスパイクタンパクを異物（敵）と認識した免疫系が、それに対する抗体や免疫細胞を作り出すことで、本物のウイルスが侵入してきた際に備える、というのがワクチンの基本的な仕組みです。
2-2. 「2週間で消える」は嘘だった？イェール大学論文が覆す定説
ワクチン接種を推進するにあたり、国や専門家は「ワクチンによって作られたmRNAは数日で分解され、スパイクタンパクも2週間程度でほとんどなくなる」と説明してきました。当時のワクチン担当大臣であった河野太郎氏も、自身のブログで同様の見解を示しています。
しかし、岩崎教授らの研究は、この定説を根本から覆す可能性を示唆しています。研究チームがワクチン後遺症を訴える患者42人の血液を分析したところ、そのうちの15人からスパイクタンパクが検出されたのです。
驚くべきは、その期間です。検出された患者の中には、ワクチン接種から最長で709日（約2年）も経過しているケースがありました。短期間で消えるはずのスパイクタンパクが、なぜこれほど長期間、体内に残り続けていたのでしょうか。
2-3. なぜスパイクタンパクは体内に残り続けるのか？岩崎教授が語る推測
岩崎教授は、なぜ一部の人でスパイクタンパクが残存するのかについて、まだ断定はできないとしながらも、いくつかの可能性を推測しています。
一つは、体内で持続的にスパイクタンパクが産生される何らかのメカニズムが働いている可能性。もう一つは、遺伝的にスパイクタンパクが分解されにくく、体内に残りやすい体質を持つ人がいる可能性です。
この消えずに残ったスパイクタンパクが、体内で何らかの不都合な免疫反応を引き起こし続け、過度の疲労感やブレインフォグといった一連の不調に繋がっているのではないか、というのが今回の論文の核心部分です。
3. スパイクタンパクが残るとどうなる？身体への影響と専門家の見解
スパイクタンパクが体内に残り続ける可能性が示された今、それが具体的にどのような影響を及ぼすのか、そしてこの研究結果を専門家はどう見ているのかが重要になります。肯定的な意見と慎重な意見、両方を見ていきましょう。
3-1. スパイクタンパクと後遺症の因果関係は？長崎大学・森内浩幸教授の指摘
日本ワクチン学会の理事も務める長崎大学の森内浩幸教授は、岩崎教授の研究を「画期的だ」と評価しています。特に、コロナ後遺症とワクチン後遺症の免疫学的な特徴が非常に似ていると示した点を重要なポイントとして挙げています。
森内教授は、「スパイクタンパクが700日以上も体内に残るのであれば、不都合な免疫応答が体内で起こり続け、体に悪影響を与えている可能性が出てくる」と述べ、岩崎教授の仮説に一定の理解を示しています。しかし同時に、現段階で「スパイクタンパクが後遺症の原因だ」と断定することには慎重な姿勢を見せています。
3-2. 全員から検出されない矛盾点｜後遺症の本当の原因は他にある？
森内教授が指摘する疑問点の一つは、後遺症を訴える患者のデータです。岩崎教授の研究では、ワクチン後遺症を訴える42人のうち、スパイクタンパクが検出されたのは15人でした。つまり、半数以上の患者からは検出されていないのです。
もしスパイクタンパクの残存が後遺症の直接的な原因なのであれば、なぜ症状があるのに検出されない人がいるのか、という疑問が残ります。この点について森内教授は、スパイクタンパクとは全く別の原因が潜んでいる可能性も考慮すべきだと指摘しています。
また、後遺症として挙げられる症状の多くは、他の病気や不調でも見られる一般的なものであるため、症状だけで原因を特定するのは難しいという側面もあります。
3-3. 心筋炎との関連も指摘｜高濃度の遊離スパイクタンパクが鍵か
ワクチン接種後の稀な副反応として心筋炎が報告されていますが、そのメカニズム解明に繋がる可能性のある別の研究も存在します。2023年にマサチューセッツ総合病院の研究グループが発表した論文では、ワクチン接種後に心筋炎を発症した患者の血液から、高濃度の「遊離スパイクタンパク」が検出されたと報告されています。
「遊離」とは、抗体に結合していない自由な状態のスパイクタンパクを指します。健康な人では検出されなかったこの遊離スパイクタンパクが、心筋炎患者では高濃度で存在していたのです。この発見は、スパイクタンパクが抗体に捕捉されずに体内を循環することが、一部の有害事象に関わっている可能性を示唆しており、岩崎教授の研究と合わせて注目されます。
4. 厚労省は嘘をついていたのか？国の見解と反ワクチン派の主張を徹底検証
イェール大学の研究結果は、これまでの政府や厚生労働省の説明と食い違う部分があり、「国は嘘をついていたのではないか」という声も上がっています。国の見解、そしてこの論文を巡る科学界の反応について掘り下げます。
4-1. 厚生労働省の公式見解「安全性に重大な懸念は認められない」の真意
週刊文春の取材に対し、厚生労働省はワクチン接種後の症状について、副反応疑い報告制度を通じて情報を収集・評価しており、「ワクチンの安全性に係る重大な懸念は認められない」という従来の立場を繰り返しています。
また、岩崎教授の論文については「個別の論文の内容等について、コメントすることは差し控える」としながらも、「mRNAワクチン接種後のスパイクタンパク質については、時間の経過とともに消失すると推察されると評価されている」と、これまでの見解を維持する姿勢を示しました。
この回答からは、新たな研究結果に対して即座に方針を転換するのではなく、引き続き慎重に情報を精査していくという姿勢がうかがえます。
4-2. 岩崎教授への批判「反ワクチンを煽るな」科学界の反応とは
岩崎教授の論文発表は、大きな反響を呼びましたが、それは賛辞だけではありませんでした。いわゆる「反ワクチン」を主張する人々からは「ワクチン推奨の考えを捨てるべきだ」と迫られ、逆にワクチンを推進してきた科学者の仲間からは「なぜ反ワクチンの考えを煽るような発表をしたのか」と苦言を呈されたといいます。
両極端からの批判に晒されながらも、岩崎教授は「メリットだけを強調してワクチン後遺症を存在していないかのようにしてしまうのは、研究者の良心にもとる」と、研究を発表した意義を語っています。科学的な真実の探求と、社会への影響との間で苦悩する科学者の姿が浮かび上がります。
4-3. ワクチンのメリットとデメリットをどう考えるべきか？
では、私たちはこの問題をどう考えれば良いのでしょうか。専門家たちが共通して指摘するのは、ワクチンのメリットとデメリットを冷静に比較衡量することの重要性です。
森内教授も岩崎教授も、今回の研究結果をもってワクチンの意義そのものを否定しているわけではありません。特に高齢者や基礎疾患を持つ人々にとって、ワクチンが新型コロナウイルス感染症の重症化や後遺症のリスクを減らす効果があることは、多くの研究で示されている事実です。
両教授ともに「メリットがデメリットを上回る」という考えを維持しており、今回の研究は、ワクチンの安全性をさらに高め、万が一後遺症に苦しむ人が出た場合に、その原因を解明し、適切な治療法を開発するために不可欠なものだと位置づけています。
5. まとめ：コロナワクチン後遺症とスパイクタンパク問題の今後
最後に、本記事で解説してきた内容をまとめます。
今回の米イェール大学・岩崎明子教授の研究は、コロナワクチン後遺症の原因解明に向けた大きな一歩となる可能性を秘めています。
この記事の要点を以下にまとめます。
- コロナワクチン後遺症の原因として、体内で作られたスパイクタンパクが消えずに残存している可能性が、イェール大学の研究で新たに示されました。
- 岩崎明子教授らの研究では、ワクチン接種後、最長で709日（約2年）経過した患者の血液からもスパイクタンパクが検出されています。
- これは、「スパイクタンパクは2週間程度でなくなる」というこれまでの国の説明とは異なる結果であり、大きな波紋を呼んでいます。
- 体内に残ったスパイクタンパクが、持続的な免疫の異常を引き起こし、倦怠感やブレインフォグなどの後遺症症状に繋がっている可能性が考えられています。
- しかし、後遺症を訴える患者全員からスパイクタンパクが検出されたわけではなく、現時点ではスパイクタンパクの残存と後遺症との明確な因果関係は証明されていません。
- 厚生労働省は「安全性に重大な懸念はない」との見解を維持しており、専門家の間でも、研究の意義を認めつつも、原因の断定には慎重な意見があります。
- 研究を発表した岩崎教授自身も、ワクチンの重症化予防効果などのメリットは大きいとしており、今回の研究はワクチンの安全性をさらに向上させるためのものだと説明しています。
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