
人気ゲーム実況者として、そしてカードショップ経営者として、多くのファンに支持されてきた、はんじょうさん。彼の名は、高いプレイスキルと情熱的な配信スタイルで、長年にわたりゲームコミュニティに影響を与えてきました。しかし2024年から2025年にかけて、彼の名前はポジティブな話題とは異なる、深刻な疑惑と炎上の文脈で語られることが増えてしまいました。カードショップでの不祥事、過去の活動を巡る黒い疑惑、そして現在も続く様々な憶測。一体、彼に何があったのでしょうか。
この記事では、はんじょうさんを巡る一連の騒動について、以下の点を中心に、現時点で判明している情報を網羅的かつ中立的な視点で整理し、徹底的に深掘りしていきます。単なる事実の羅列ではなく、なぜそれぞれの問題が炎上にまで発展したのか、その背景にある構造的な問題まで踏み込んで考察します。
- カードショップでの買取不祥事:顧客との間で起きたトラブルの具体的な内容と、その後の対応がなぜ大きな批判を浴びたのか、その経緯を詳細に追います。
- 出資者・もこうさんの見解:親しい友人であり、ビジネスパートナーでもあるもこうさんは、この問題をどう見て、何を語ったのでしょうか。彼の言葉から騒動の別の側面を探ります。
- はんじょうさんとは何者か:そもそも、彼はどのような人物なのでしょうか。その華やかな経歴と、公言されてきた苦難の生い立ちを振り返り、人物像を明らかにします。
- 深刻な疑惑の真相:彼のキャリアに最大の汚点を残したともいえる、情報商材、反社会的勢力との繋がり、そしてカルテルといった一連の疑惑。何が事実で、何が憶測なのかを、証拠や証言を基に分析します。
- 謎の予告動画「はんじょうとは」:不気味な憶測を呼んだ予告動画は何だったのか。このエピソードが示す、現代のネット文化の一側面にも光を当てます。
本記事を通じて、複雑に絡み合った問題の全体像を理解し、なぜこれほど大きな騒動に発展したのか、その背景にある個人の倫理観、企業としての管理体制、そして我々情報を受け取る側の姿勢まで、幅広く考えていく一助となれば幸いです。
1. はんじょうとは誰で何者?本名・学歴・経歴を解説

一連の深刻な騒動を理解するためには、まず「はんじょう」という人物がどのような道を歩んできたのかを知る必要があります。彼のこれまでのキャリアや公言されてきたパーソナリティは、今回の問題を多角的に分析する上で重要な鍵となります。光と影、その両面から人物像に迫ります。
1-1. はんじょうのプロフィールと配信者としての歩み
はんじょうさんは、1996年1月29日生まれのゲーム実況者であり、インフルエンサーです。本名については坪池勝史(つぼいけ まさふみ)など複数の説が存在しますが、公式に本人から明言されたことはありません。2015年頃、黎明期のゲーム実況プラットフォームであるニコニコ動画で活動を開始しました。彼のキャリアを決定づけたのは、任天堂の大人気ゲーム「スプラトゥーン」の実況です。
特にスプラローラーという武器の扱いは神業的で、「全一ローラー(全国一位のローラー使い)」と称されるほどの卓越したプレイスキルを誇りました。それに加え、勝利に歓喜し、敗北に絶叫する情熱的な配信スタイルが多くの視聴者を魅了。単なる上手いプレイヤーではなく、感情を共有できるエンターテイナーとしての地位を確立し、瞬く間に人気配信者の仲間入りを果たしました。
活動の舞台はYouTubeやTwitchへと広がり、愛の戦士さん、なな湖さん、とりっぴぃさんといった実況者仲間とゲーム実況グループ「神殿花鳥」を結成するなど、活動の幅を拡大。さらに、加藤純一さんやもこうさんといった、界隈でも特に影響力の強い大手配信者との親交を深め、その存在感を不動のものとしました。2018年には、国内最大級のインフルエンサー事務所であるUUUMに所属。これは、彼が単なる個人配信者から、社会的な責任を伴うパブリックな存在へと移行したことを意味します。
彼の才能はゲームだけに留まらず、卓越したラップスキルを披露した楽曲「おれがはんじょうだ」はYouTubeで230万回再生を突破。その多才ぶりも、彼の人気を支える大きな要因となっていました。
1-2. 苦難を乗り越えた生い立ちと学歴
多くのファンを引きつけてきたのは、彼の華やかな活動だけではありません。はんじょうさんは、自身の配信や動画の中で、経済的に非常に苦しい家庭環境で育った過去を度々公言してきました。父親がギャンブル等で多額の借金を残し、その返済に追われるなど、厳しい幼少期・青年期を過ごしたと語っています。学生時代は、自らの学費を稼ぐためにアルバイトに明け暮れる日々だったそうです。
この「逆境からのし上がってきた」というストーリーは、彼の人間的な魅力となり、多くのファンにとって強い共感と応援の動機となっていました。しかし皮肉なことに、この経済的な苦労と「稼ぎたい」という強い動機が、後述する情報商材ビジネスへの関与に繋がる遠因となったのではないか、という指摘も存在します。
学歴については、東洋大学の夜間部に進学したものの、最終的には経済的な事情から4年生で中退したとされています。この学歴もまた、彼の苦労人としての人格を補強するエピソードとして知られていました。
1-3. カードショップ経営者へ
ゲーム実況者として確固たる地位を築いたはんじょうさんは、2022年8月、自身のキャリアにおける新たなステージとして、一大決心をします。それは、東京・秋葉原というカルチャーの聖地に「カードショップはんじょう」をオープンすることでした。自身も熱心なプレイヤーであるポケモンカードなどを中心に取り扱うこの店舗は、彼の絶大な知名度と影響力も相まって、開店当初から大きな注目を集め、多くのファンやカードゲーマーで賑わいました。
それは、配信者としての成功を、リアルビジネスへと昇華させる輝かしい挑戦に見えました。しかし、この事業が後に彼自身の評価を根底から揺るがし、数々の深刻な騒動の震源地となってしまうことを、この時知る者はいませんでした。
2. はんじょうカードショップの買取不祥事炎上事件とは?何があったのか
輝かしいスタートを切ったはずのカードショップ経営でしたが、その信頼を根底から揺るがす深刻な事件が発生します。それが、2025年6月にSNS上で告発されたことで発覚した「買取カード紛失・隠蔽疑惑」です。この一件は、単なる店舗のオペレーションミスに留まらず、その後の杜撰な管理体制と顧客への不誠実極まりない対応が露呈したことで、ネット上で大規模な炎上を引き起こしました。
2-1. 事件の経緯:7枚が5枚に?消えた2枚のカードの行方
事件の発端は、ある一人の顧客が、店舗の買取サービスを利用した際に体験した不可解な出来事でした。顧客のSNSでの訴えと、その後店舗側が発表した公式な謝罪文の内容を基に、トラブルの経緯を時系列で詳細に再構築します。
- 顧客の主張:ある顧客が、合計7枚のトレーディングカードを買取カウンターに提出したと主張しました。
- 店舗の初期対応:しかし、店舗側は「5枚しかお預かりしていない」と返答。査定を担当したスタッフも「そのカードは見ていない」と、顧客の主張を全面的に否定しました。
- 防犯カメラの確認:話が完全に食い違う中、受付担当スタッフが防犯カメラの映像確認を提案。査定担当者が該当の映像を確認したものの、「映像では5枚しか映っていないように見える」と、不鮮明な映像の一部を切り取った写真を顧客に提示し、自らの正当性を主張しました。
- 威圧的な発言:ここで受付担当は、顧客に対して「映像で5枚しか確認できないため、もしご納得いただけない場合は警察を呼んでご確認いただいた方が良いのではないでしょうか」という趣旨の発言をします。この言葉が、真実の究明ではなく、顧客をクレーマーや犯罪者予備軍として扱うかのような威圧的な態度と受け取られ、顧客に深い不信感を抱かせる決定的な一言となりました。
- 再調査と真相判明:その場では引き下がらざるを得なかった顧客ですが、納得がいかず、数時間後に再度店舗へ連絡。今回は、カードを特定できるPSA鑑定番号という客観的な情報を添えて、再調査を強く依頼しました。
- 店舗のミス発覚:店舗側が、今度は映像の範囲を広げ、顧客がカードをバッグから取り出す準備段階から再確認した結果、顧客が当初から主張していた通り、確かに7枚のカードを手にしていたことが明確に映っていました。最終的な原因は、査定担当者が7枚のうちの2枚を、査定対象のトレーから誤って査定済み用のケースに収納してしまい、残りの5枚のみを査定していたという、店舗側の完全なヒューマンエラーであったことが判明したのです。
結果として、失われたと思われた2枚のカードは見つかり、顧客の主張が100%正しかったことが証明されました。しかし、問題の本質はカードの紛失そのものよりも、真相が判明するまでの店舗側のあまりに稚拙で不誠実な対応にあったのです。
2-2. なぜ炎上したのか?信頼を崩壊させた店舗の対応
この一件が、単なる店舗トラブルでは済まされず、ネット全体を巻き込む大きな炎上へと発展した背景には、店舗側の対応に複数の致命的な問題点があったことが指摘されています。公式の謝罪文でも認められている点は以下の通りです。
問題点 | 具体的な内容とその影響 |
---|---|
顧客の主張の全面否定と軽視 | 自らにとって都合の良い不鮮明な防犯カメラ映像の一部だけを根拠に、顧客の訴えを最初から「間違い」や「虚偽」であるかのように扱いました。これは、顧客に対する敬意の欠如を象徴しています。 |
高圧的・威圧的なコミュニケーション | 「警察を呼びますか」という発言は、本来、店舗側が自らの潔白を証明するために協力をお願いする文脈で使われるべきですが、このケースでは顧客を黙らせるための脅し文句として機能してしまいました。 |
怠慢で不十分な事実確認プロセス | 最初の映像確認を、手間を惜しんで査定中の場面に限定したことが、問題解決を遅らせる最大の原因でした。「十分に確認もせずに、客を疑った」という事実が、顧客の怒りと失望を増幅させました。 |
これらの対応は、顧客から預かった高価な資産を扱うカードショップとして、最もやってはならない過ちのオンパレードでした。SNS上では「客を泥棒扱いする店がどこにある」「自分たちのミスを隠蔽するために防犯カメラを悪用するのか」といった激しい批判が殺到。店舗の運営体制、ひいては経営者であるはんじょうさんの監督責任を問う声が噴出する、深刻な事態へと発展したのです。
3. 出資者もこうのコメントは?何を言ったのか?

この買取不祥事という深刻な事態に対し、はんじょうさんと長年の親交があり、カードショップの出資者の一人でもある人気配信者のもこうさんも、自身の配信で重い口を開きました。彼のコメントは、友人としての感情と、ビジネスに関わる者としての客観的な視点が入り混じっており、騒動を理解する上で非常に示唆に富んでいます。
3-1. 「クソです、カスである」厳しい言葉に込めた真意
もこうさんは、この件の報告を受けると、まず被害に遭った顧客への同情を示し、「お客さん可哀想」と述べました。そして、店舗の対応については「お客さんに言われたから(渋々)謝罪文を出した、クソです」「あえて言います、カスであると」と、極めて辛辣かつ厳しい言葉で糾弾しました。この発言は、単なる感情的な批判ではありません。顧客を第一に考えるべき商売の基本原則が、いとも簡単に踏みにじられたことへの強い憤りと、ビジネスとしての基本がなっていないことへの失望が込められていました。
さらに「半グレじゃねーか」とまで表現したのは、誠実な対話で解決すべき問題を、威圧的な態度で封じ込めようとした店舗の姿勢が、いかに常軌を逸したものであったかを示しています。友人であるはんじょうさんの店だからこそ、一切の忖度なく、その過ちを厳しく指摘したのです。
3-2. 「誰かに乗っ取られている」はんじょうへの擁護と複雑な心境
一方で、もこうさんは当時、後述する別の問題で謹慎中だったはんじょうさん本人に対しては、一定の擁護をする姿勢も見せました。彼は「はんじょうにとっても(この不祥事は)マイナスであり、そんなことするはずがない」「(店が)誰かに乗っ取られているのではないか」と推測しました。これは、問題がはんじょうさんの目の届かないところで、彼の意図とは無関係な「影のボス」のような人物によって引き起こされたのではないか、という見方を示唆しています。
この発言は、長年付き合ってきた友人としての、はんじょうさんの本来の性格やビジネスセンスへの信頼からくるものかもしれません。しかし、同時に、どれだけ現場のスタッフが起こした問題であっても、最終的な監督責任は経営者であるはんじょうさんにある、という厳しい現実も示唆しています。もこうさん自身も、配信の中で「(自分も)出資したことにも責任がある」と言及しており、単なる傍観者ではなく、当事者の一人としての重い葛藤と責任を感じている様子がうかがえました。
4. はんじょう情報商材マルチ疑惑とは?
カードショップの不祥事が明るみに出る数ヶ月前、はんじょうさんには既に別の黒い噂が付きまとっていました。その中でも彼のキャリアにおいて最も深刻なダメージを与えたのが、過去に「情報商材」を扱うマルチ商法的な組織に深く関与していたのではないか、という疑惑です。この問題は、彼のパブリックイメージを根底から覆すものでした。
4-1. 疑惑の発端「四天王写真」と食い違う本人の弁明
2025年4月頃、SNS(特にX)上で一枚の集合写真が爆発的に拡散されました。それは、ラフな服装の20人以上の若者が写る写真で、最前列の中央にあるソファに、まるで幹部のように座る4人の男女がいました。その中心に、若き日のはんじょうさんとされる人物がいたことから、この写真は通称「四天王写真」と呼ばれました。この集団こそが悪質な情報商材グループであり、はんじょうさんはその中心的な幹部だったのではないか、という疑惑が一気に広まったのです。
この疑惑に対し、はんじょうさんは当初、自身の配信で釈明。「これはクラブのイベントチケットを売るようなサークルの集まりだった」と、情報商材グループではないと説明しました。情報商材を扱う団体に所属していた過去自体は認めたものの、「それはもっと上の世代の話」「自分は友達に騙されて入った被害者」「ヤバい奴らにボコボコにされていた」「危険を感じて命からがら逃げ出した」と、自身を組織の末端にいた無知な被害者であるかのように語っていました。
4-2. 滝沢ガレソ氏の暴露が覆した「被害者」の物語
しかし、この「被害者」としての物語は、数日後、日本で最も影響力のある暴露系インフルエンサーの一人、滝沢ガレソ氏が投稿した新たな証拠によって、完全に覆されることになります。投稿されたのは、以下の3枚の衝撃的な写真でした。
- 大量の札束を手に、自信に満ちた表情(ドヤ顔)を見せるはんじょうさんの写真。
- 組織のリーダーである高橋高氏の兄・高橋一喜氏と、親密そうに腕を組むツーショット写真。
- ホワイトボードの前に立ち、着席している複数のメンバーに対して、何かをレクチャーしている(勧誘や販売手法を教育している)かのように見える写真。
これらの写真は、彼が語っていた「末端の被害者」というイメージとは全く相容れないものでした。特に、組織の創設者の兄という中枢人物と親密な関係を窺わせる写真は、彼が組織内で決して低い立場ではなかったことを強く示唆しています。むしろ、組織内で「新規参加者の勧誘と教育を行う重要なポジション」、つまり後進を指導する「先生」的な役割を積極的に担っていたのではないかという疑惑は決定的となり、ネット上の非難は頂点に達しました。
4-3. 全面降伏の公式声明と活動自粛
もはや言い逃れのできない状況に追い詰められたはんじょうさんは、2025年4月23日、自身のX(旧Twitter)アカウントを通じて、公式な謝罪・報告文を発表せざるを得ませんでした。その中で、大学在学中に知人に誘われ、問題の団体に所属していた事実を正式に認め、「当時はビジネススキームに対する理解が十分でないまま活動していたため、今振り返ると軽率な判断であったと深く反省しております」と謝罪しました。そして、この事態を重く受け止め、自身を見つめ直す期間として、無期限の活動自粛を発表するに至ったのです。
5. はんじょう反社との繋がり疑惑とは?

情報商材への関与という疑惑は、それだけでは終わりませんでした。さらに深刻な、「反社会的勢力との繋がり」という、日本の社会では最もタブー視される疑惑へと発展していきます。これは、インフルエンサーやタレントとしての生命線を絶ちかねない、極めて重大な問題です。
5-1. 所属していた組織「ICMG(高橋塾)」の危険な実態
その後の調査により、はんじょうさんが深く関与していた情報商材グループの名称が「ICMG(Infinity Change Management Group)」、通称「高橋塾」であったことが特定されています。この組織は、入会金として数十万円という高額な金銭を要求し、新たな会員を勧誘することで紹介者に報酬が支払われるという、典型的なピラミッドスキーム(いわゆるマルチ商法、ねずみ講に近い形態)であったと見られています。
そして最大の問題は、この組織の創設者でありリーダーであった高橋高という人物の存在です。彼は、過去に関東連合や稲川会といった指定暴力団との関係が複数のメディアで報じられており、実際に2016年には、元従業員に対する監禁、傷害、強盗といった凶悪な容疑で逮捕されていたという事実が明らかになりました。はんじょうさんが関わっていたのは、単なるグレーなビジネスグループではなく、暴力的な犯罪行為も厭わない、極めて危険な人物が率いる組織だったのです。
5-2. はんじょうの認識と拭い去れない疑惑の影
はんじょうさんは自身の公式声明の中で、「(組織と反社会的勢力との関連について)所属していた当時の私にはそのような認識はありませんでした」「代表者が逮捕されたという情報についても、今回のSNS上の投稿を通じて初めて知ることとなりました」と主張しています。そして、自身は逮捕劇が起きる2016年より前に組織から脱退しており、以降、現在に至るまで一切の関係はないと、繋がりを強く否定しました。
しかし、組織のリーダーの兄である高橋一喜氏と親密なツーショット写真を撮影したり、組織内で「先生」として指導的な立場にいたりしたことが事実であれば、「何も知らなかった」という彼の主張を額面通りに受け取るのは非常に難しい、という声がネット上では大半を占めています。直接的な反社会的勢力の構成員ではなかったとしても、そうした勢力と繋がりのある人物やその近親者が中枢にいる組織で活動し、その活動によって金銭的な利益を得ていた可能性は否定できません。この事実は、彼の社会的信用、そして倫理観に、回復困難とも思えるほどの大きな傷跡を残す結果となりました。
6. はんじょうカルテル疑惑とは?
過去の経歴だけでなく、現在のカードショップ経営のあり方にも疑惑の目が向けられました。2024年12月に行われたライブ配信での何気ない発言が、同業他社と裏で価格協定を結ぶ「カルテル」行為、すなわち独占禁止法に違反する行為にあたるのではないか、という新たな火種を生んだのです。
6-1. 「仲良くしたほうがいい」問題視された発言の具体的な内容
配信中、はんじょうさんは自身のカードショップ運営について語る中で、競合する他の店舗との関係性について以下のような趣旨の発言をしました。
「正直なところ、(競合他社とは)喧嘩するより仲良くしたほうが絶対にいい。そうしないと、お互いに面倒なことになる。無意味な価格競争に巻き込まれるだけだから」
「あっちが下げたらこっちも下げる、みたいなことをお互いにやり始めると…本当に誰にも利益がない。消耗戦になるだけ」
さらに、他の有名カードショップのオーナーたちと年に一度、情報交換のための「近況報告会」のような集まりを開いていることも明かしました。これらの発言が、本来は自由な市場競争によって決まるべきカードの販売価格や買取価格を、事業者間の談合によって不当に維持・操作するための話し合い、すなわち日本の独占禁止法で厳しく禁じられているカルテル行為を行っているのではないか、という疑惑を招いたのです。
6-2. 本人の全面否定と残り続ける市場への不信感
このカルテル疑惑に対し、はんじょうさんは2025年3月27日の配信で「いかなる違法行為をしたという事実もありません」と疑惑をきっぱりと否定。顧問弁護士にも相談し、法的に何ら問題はないとの確認を得ていると主張しました。
確かに、これらの発言だけで違法な価格協定が存在したと法的に断定することは困難です。しかし、経営者同士が価格競争を「無意味な消耗戦」と捉え、それを避けるためのコミュニケーションの場が存在することを公言したこと自体が、消費者や市場全体に対して大きな不信感を与えるには十分でした。特に、過去の情報商材疑惑などで彼のビジネス倫理そのものに疑問符がついていた状況下では、この発言もまた「顧客の利益より自分たちの利益を優先する体質」の表れと受け取られてしまい、さらなるイメージダウンに繋がったのです。
7. はんじょうニヤニヤCHのプレミア公開とは?

一連の騒動が最高潮に達していた最中、YouTube上で、ある不気味な動きがネットウォッチャーたちの間で大きな注目を集めました。それは、以前から内容は不明ながら、はんじょうさんの切り抜きやMAD(ファンが作成する面白動画)を投稿してきた「はんじょうニヤニヤCH」という謎のチャンネルが、2025年6月15日のプレミア公開枠として「はんじょうとは」という、非常に意味深なタイトルの動画を、なんと2年も前から予約設定していた、というものです。
この不可解なタイトルと、異常に長期間にわたる予約設定から、ネット上では「はんじょうに関する未公開の重大な暴露動画ではないか」「この騒動の核心を突く、最後の一撃が投下されるのでは」といった憶測が憶測を呼び、大きな話題となりました。これは、はんじょうさんを巡る問題の根深さと、彼のゴシップに対する世間の飢えたような関心の高さを示す象徴的なエピソードと言えるでしょう。
もちろん、一方で「単なるファンによるMAD動画で、騒動に便乗して注目を集めたいだけだろう」「深読みしすぎだ」という冷静な声も多くありました。しかし、あまりにも出来すぎたタイミングであったため、多くの人々が、ある種の期待と不安が入り混じった感情で、そのプレミア公開の瞬間を固唾をのんで見守るという、異様な状況が生まれたのです。
8. まとめ:はんじょう炎上事件の何が問題だったのか
今回は、人気配信者はんじょうさんを巡る、複雑に絡み合った一連の炎上騒動について、その経緯と疑惑の核心を、多角的な視点から徹底的に調査・解説しました。最後に、この長期にわたる騒動で、一体何が本質的な問題だったのか、重要なポイントを改めて整理します。
- 顧客軽視のビジネス姿勢:カードショップの不祥事では、単なる業務上のミス以上に、「顧客を疑い、高圧的な態度で黙らせようとする」という、サービス業としてあるまじき対応が信頼を崩壊させました。これは、彼のビジネスの根幹にある倫理観が問われる出来事でした。
- 過去の清算と説明責任の欠如:情報商材・反社疑惑では、過去の過ちそのものもさることながら、当初「被害者」であったかのような虚偽の説明を行い、後から証拠を突きつけられて渋々認める、というプロセスが致命的でした。真摯な説明責任を果たさなかったことが、疑惑をさらに深刻化させました。
- コンプライアンス意識の欠如:反社会的勢力と繋がりのある人物が率いる組織への関与や、カルテルを疑われる発言など、いずれも社会的影響力の大きいインフルエンサー、そして企業経営者として、遵守すべきコンプライアンス意識が著しく欠けていたことを示しています。
- 「知らなかった」では済まされない立場:一連の疑惑に対し、彼は「知らなかった」「認識がなかった」という趣旨の弁明を繰り返しましたが、組織の中枢人物の近親者と親密な写真を撮影したり、経営者として事業を率いたりする人間が、その言葉だけで責任を免れることはできません。
- 信頼という最も重要な資産の喪失:ファンや視聴者、ビジネスパートナーからの「信頼」は、インフルエンサーにとって最も重要な資産です。一連の出来事は、その信頼を自らの手で、何度も裏切る行為の連続であり、その回復は極めて困難な道のりとなるでしょう。
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