
2025年6月、人気VTuberであるにじさんじ所属の叶(かなえ)さんとプロゲーミングチームZETA DIVISION所属のストリーマーであるファン太さんが、同じくにじさんじ所属の魔界ノりりむさんに対してゲーム配信中に行った行為が「セクハラではないか」として大きな炎上騒動に発展しました。
この一件は、悪意のある切り抜き動画の拡散や、特に中国の視聴者からの激しい批判を呼び、最終的に叶さんが予定していたゲーム案件を辞退する事態にまで至りました。しかし、当事者間ではエンターテインメントとしての認識であり、事実関係が複雑に絡み合っています。
この記事では、今回の炎上騒動について、以下の点を網羅的に詳しく解説していきます。
- 炎上の発端となった配信で具体的に何があったのか
- なぜこの行為が「セクハラ」とされ、大炎上したのか、その本当の理由
- 悪質な切り抜き動画と中国での炎上の関係性
- 叶さんが「鳴潮」の案件を辞退するに至った経緯
- 関わった3名、叶さん、ファン太さん、魔界ノりりむさんとは一体誰で何者なのか
- 当事者たちの謝罪と声明、そして現在の状況
本記事を最後までお読みいただくことで、今回の騒動の全貌と、なぜこのような事態に至ったのか、その背景にある問題点まで深くご理解いただけます。
1. 炎上の発端:叶とファン太は魔界ノりりむに一体何をしたのか?問題となったGTAV配信の全容

今回の炎上騒動の発端は、2025年6月7日に行われた人気ゲーム『グランド・セフト・オート5(GTAV)』の企画配信でした。まずは、実際に配信で何が起こったのか、その経緯を時系列で詳しく見ていきましょう。
1-1. 炎上が起きた場所はGTAVの特殊サーバー「MadTown」というロールプレイ企画
問題となった配信は、プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」が運営する招待制のロールプレイサーバー「MadTown」で行われました。このサーバーには多くの著名な配信者やVTuberが参加しており、それぞれがゲーム内で「ギャング」や「警察」といった役割(ロール)を演じながら物語を進めていくという、特殊な企画です。
この日、叶さんとファン太さんは「ギャング」のロール、魔界ノりりむさんは彼らとは敵対する立場のキャラクターとして参加していました。
1-2.【時系列】2025年6月7日の配信で実際に何があった?ロールプレイ中の具体的な行動と発言内容
事件が起きたのは、ゲーム内で魔界ノりりむさんのキャラクターが倒れて動けなくなった場面でした。その状況を以下に整理します。
- 魔界ノりりむさんのキャラクターが敵対勢力(叶さんたちのギャング)によってアジトに連れ去られます。
- アジトで倒れて動けないりりむさんのキャラクターに対し、ファン太さんのキャラクターが接近。
- ファン太さんは、りりむさんのキャラクターの足元でしゃがみこんだり、心肺蘇生を装って身体に触れるような行動をとりました。
- この一連の行動に対し、りりむさんは「助けて!」「やだやだ!」「この世界で一番気持ち悪いかも」と、ロールプレイとして嫌がる素振りを見せました。
- 叶さんは、その様子を止めず、笑いながら見守っていました。また、ファン太さんの行為を制止しようとしたりりむさんの発言に対し、「もう(被害者は)増えすぎて無理だよ」と返すなど、ファン太さんのキャラクターを擁護するような言動も見られました。
この一連の流れが、後に「セクハラ行為」として問題視されることになります。重要なのは、これら全てのやり取りが「ギャング」と「捕虜」という**架空のキャラクターを演じるロールプレイの一環**として行われていたという点です。
2. 炎上した本当の理由はなぜ?悪意ある切り抜き動画と中国との文化的な解釈の違いが原因か
当事者たちはロールプレイ、つまり一種の「おふざけ」や「ネタ」として行っていましたが、なぜこれほど大きな炎上騒動に発展してしまったのでしょうか。その理由は、主に「悪意のある切り抜き動画の拡散」と「海外、特に中国における文化的な解釈の違い」という2つの要因が複雑に絡み合った結果でした。
2-1. 最大の原因は悪質な捏造動画!無関係な涙を繋げた切り抜きの内容とは?
騒動が拡大した最大の原因は、**悪意を持って編集された切り抜き動画**が作られ、海外の動画プラットフォーム(特に中国のBilibiliなど)で拡散されたことです。
この悪質な動画は、以下の様な捏造を含んでいました。
- 問題の「セクハラ」と見なされたシーンの直後に、**全く別の配信で魔界ノりりむさんが涙を流しているシーンを意図的に連結**していた。
- りりむさんが泣いていたのは、このセクハラまがいの行為が原因ではなく、同日の別の場面でヘリコプターの操縦が上手くできたことに感動したためでした。
- この編集により、あたかも「りりむさんがセクハラ行為によって精神的苦痛を受け、泣きながら配信を終えた」かのような、**全くの事実無根のストーリー**が作り上げられてしまったのです。
さらに、不正確な翻訳字幕が付けられたことも、誤解を加速させました。この捏造された動画が、海外の視聴者、特に事情をよく知らない人々にとっての「事実」として受け止められ、叶さんとファン太さんへの非難が殺到する事態となったのです。
2-2. なぜ中国で大炎上?「ネタ」が通用しないセクハラへの価値観と文化的背景の違い
もう一つの大きな理由は、日本と海外、特に中国における「セクハラ」というテーマに対する価値観や文化的な受け止め方の違いです。
日本の配信文化、特に親しい関係性の配信者同士の「プロレス」や「身内ノリ」を知る視聴者の多くは、今回の件を「いつもの悪ふざけ」「エンターテインメントの範疇」と理解しました。りりむさん自身が嫌がっていないことを知っているため、問題視しない声が多数でした。
しかし、中国を含む海外の視聴者にとっては、このような「ネタ」としてのセクハラ表現に対する許容度が日本とは異なります。ロールプレイという文脈を理解せず、映像だけを切り取って見ると、女性キャラクターが複数人の男性キャラクターから集団で辱めを受けているように見え、深刻な人権侵害や性暴力と受け取られても不思議ではありません。
この文化的背景の違いが、悪意ある切り抜き動画と結びつくことで、中国のSNSを中心に爆発的な炎上を引き起こしたと考えられます。日本のファンからは「いつものノリがなぜ」「文化の違い」と戸惑う声が上がる一方で、海外からは深刻なセクハラ事件として糾弾されるという、大きな認識のズレが生じたのです。
3. 炎上騒動のその後はどうなった?叶、ファン太、魔界ノりりむ3名の公式な対応と声明を解説
炎上が拡大する中、叶さん、ファン太さん、そして魔界ノりりむさんは、それぞれ迅速に本件に関する声明を発表しました。彼らの対応から、騒動に対する三者三様の想いと、事実関係を明らかにしようとする姿勢が見て取れます。
3-1. 叶の謝罪配信まとめ:「行き過ぎた悪ノリだった」と釈明しつつ捏造動画の存在を指摘
2025年6月10日、叶さんは自身のYouTubeチャンネルで「今回の件について」と題したライブ配信を実施しました。
この配信で叶さんは、「僕ら的にはチョケ(おふざけ)だったけど、確かに見え方は良くない」「行き過ぎた悪ノリだった」と述べ、視聴者に不快な思いをさせたことについて「申し訳ない。すいませんでした」と謝罪しました。
同時に、炎上が拡大した原因として「悪意のある捏造された翻訳動画」の存在を挙げ、りりむさんが泣いていたのは全く別のシーンであると明確に否定。りりむさん本人にも直接謝罪し、「いつものネタの感じで分かってるから問題ないですよ」との返事をもらったことも報告し、関係性の悪化はないと強調しました。セクハラを助長、肯定する意図は全くなかったと釈明しつつも、誤解を招く行為であったことを真摯に反省する姿勢を示しました。
3-2. ファン太も謝罪を表明:「不快な思いをさせた」とりりむ本人との関係性にも言及
同日、ファン太さんも自身のTwitch配信で本件について言及。「不快な思いをされた方がいらっしゃったら、それは本当に良くないことでもあります」「そこに関しては謝らせていただきます。大変申し訳ございませんでした」と謝罪の言葉を述べました。
また、ファン太さんも同様に、りりむさん本人から「気にしないでください」との連絡があったことを明かし、今後もこれまで通りの良好な関係を続けていくとしました。
3-3. 被害者とされた魔界ノりりむ本人の神対応:「全く嫌じゃない」と憶測を否定し仲間を擁護
騒動の中心にいた魔界ノりりむさんは、同日に自身のX(旧Twitter)を更新し、本件に関する自身の立場を毅然と表明しました。
配信でも言ったけど全く嫌な気してないので勝手な憶測で、りりむの気持ち語らないでね!後、りりむの配信をちゃんと見てくれてる人はエンタメだとわかってると思う!
この投稿で、りりむさんは一連の行為が自身にとっては不快なものではなく、あくまでエンターテインメントであったことを強く主張しました。そして、叶さんやファン太さんと今後も仲良くしたいという意向を示し、憶測で彼らを非難することをやめてほしいとファンに呼びかけました。被害者とされた本人からのこの明確な意思表示は、騒動の鎮静化において非常に重要な役割を果たしました。
4. 叶の「鳴潮」案件辞退の真相とは?炎上が及ぼした具体的な影響と辞退せざるを得なかった理由
今回の炎上騒動は、単なるネット上の論争に留まらず、叶さんの活動に具体的な影響を及ぼしました。その最たる例が、人気ゲーム「鳴潮(Wuthering Waves)」のプロモーション案件を辞退したことです。
4-1. 謝罪の翌日に発表された「鳴潮」案件辞退の公式ポスト
謝罪配信を行った翌日、叶さんは自身のX(旧Twitter)で、以下のように発表しました。
諸事情により、6月14日に予定していた「鳴潮」の案件配信は辞退させていただきます。楽しみにしていただいた方には申し訳ございません。
「鳴潮」は中国で開発されたゲームであり、今回の炎上が主に中国のユーザーコミュニティで発生していたことを考えると、この決断は極めて重い意味を持ちます。
4-2. 案件辞退の理由は中国への配慮?クライアントとの関係やさらなる炎上回避が目的か
辞退の直接的な理由は「諸事情」としか述べられていませんが、以下の点が背景にあると推測されます。
- クライアントへの配慮: 「鳴潮」の開発・運営会社は中国企業です。そのゲームのプロモーションを、まさに中国のユーザーから激しい批判を受けている叶さんが行うことは、クライアント企業に多大な迷惑をかける可能性があります。スポンサーに対する配慮が最大の理由でしょう。
- さらなる炎上の回避: もし案件配信を強行すれば、配信が大荒れになることは必至でした。ゲームのプロモーションどころではなくなり、叶さん自身にも、ゲームのブランドイメージにも、さらなるダメージが及ぶことを避けるための判断だったと考えられます。
- 中国市場の重要性: ゲーム業界において中国市場は無視できない存在です。その市場で大きな反感を買っている状況を鑑み、一度身を引くという選択は、長期的な視点で見れば賢明な判断だったのかもしれません。
ロールプレイでの出来事が、国境を越えた炎上を生み、結果として大きなビジネスにまで影響を及ぼしたという事実は、現代の配信活動が抱えるリスクの大きさを物語っています。
5. 今回の登場人物は誰で何者?叶・ファン太・魔界ノりりむの経歴や人物像、関係性を総まとめ
今回の騒動を深く理解するためには、関わった3人がそれぞれどのような人物なのかを知ることが重要です。「叶って誰?」「ファン太って何者?」といった疑問に答えるべく、3名のプロフィールを詳しくご紹介します。
5-1. 叶(かなえ)とは何者?にじさんじトップクラスの人気を誇る経歴と活動内容
叶さんは、ANYCOLOR株式会社が運営するVTuberグループ「にじさんじ」に所属する、絶大な人気を誇る男性VTuberです。
名前 | 叶(かなえ) |
所属 | にじさんじ |
デビュー日 | 2018年5月2日 |
YouTubeチャンネル登録者数 | 約145万人(2025年6月時点) |
キャラクター設定 | 記憶喪失の青年。ふわふわした話し方で、猫のクッション「ロト」を抱えている。 |
活動内容 | 卓越したゲームセンスを活かした長時間のゲーム実況配信がメイン。FPSの実力はトップクラス。物腰柔らかな声と激しいリアクションのギャップが人気。 |
音楽活動 | 2022年7月にLantisからメジャーデビュー。同じにじさんじ所属の葛葉さんとのユニット「ChroNoiR(クロノワール)」としても活動し、高い人気を誇る。 |
特筆事項 | 男性VTuberとして史上2人目にチャンネル登録者100万人を達成。声優やタレントなど、業界内外に広い交友関係を持つ。 |
ヘビーゲーマーとして知られ、その高いゲームスキルと穏やかながらもユーモアのあるトークで男女問わず多くのファンを魅了しています。コミュニケーション能力が非常に高く、様々な配信者とコラボしていることでも知られています。
5-2. ファン太(ふぁんた)とは何者?異色の経歴を持つZETA DIVISION所属の人気ストリーマー
ファン太さんは、プロゲーミングチーム「ZETA DIVISION」のストリーマー部門に所属するゲーム実況者・ストリーマーです。
名前 | ファン太(ふぁんた) |
所属 | ZETA DIVISION(2023年〜) |
生年月日 | 1991年1月5日(34歳 ※2025年時点) |
出身地 | 鹿児島県 |
YouTubeチャンネル登録者数 | 約32.8万人(2025年6月時点) |
活動内容 | 声真似を活かしたゲーム実況が特徴。『ドラゴンボール』のベジータなどのレパートリーを持つ。GTAVの「ストグラ」企画などでブレイク。 |
経歴 | 元々は会社員(営業職)として働きながら配信活動を行う。2011年にニコニコ生放送で活動開始。柔道の名門高校出身で全国優勝経験もある異色の経歴を持つ。2025年にはavexから歌手デビューも発表されている。 |
会社員と配信者の二足のわらじを履いていた経験もあり、そのトークスキルと多彩な声真似で人気を博しています。豪快なキャラクターとユーモアのセンスで、多くの大型企画で存在感を発揮しています。
5-3. 魔界ノりりむ(まかいのりりむ)とは何者?叶を「にいやん」と慕うサキュバスのお姫様
魔界ノりりむさんは、叶さんと同じく「にじさんじ」に所属する女性VTuberです。愛称は「りりむ姫」。
名前 | 魔界ノりりむ(まかいのりりむ) |
所属 | にじさんじ(元にじさんじゲーマーズ) |
デビュー日 | 2018年7月30日 |
YouTubeチャンネル登録者数 | 約54万人(2025年6月時点) |
キャラクター設定 | 魔界から来たサキュバスの子供(13歳)。父は魔界の王サタン。本人は使命を忘れゲームに夢中になっている。 |
活動内容 | ゲーム実況、雑談、歌配信が中心。コミュ障・陰キャを自称する一方、配信では大胆な発言やイタズラでリスナーを魅了する。 |
人物像 | 叶さんのことを「にいやん」と呼び慕っており、非常に仲が良いことで知られる。裏では仲間思いで面倒見が良い一面もあり、「いい女」と評されることも。 |
可愛らしい見た目と声とは裏腹に、時に毒舌でクソガキなムーブを見せるギャップが魅力です。叶さんとはデビュー初期からの付き合いで、兄妹のように仲の良い関係性はファンの間では有名です。今回の件で、彼女が毅然とした態度を取ったのは、この信頼関係が根底にあったからでしょう。
6. 総括まとめ:叶とファン太の炎上事件が浮き彫りにしたロールプレイ配信のリスクと異文化コミュニケーションの課題
今回は、2025年6月に発生した叶さん、ファン太さん、魔界ノりりむさんを巡る炎上騒動について、その経緯から原因、関係者のプロフィールまで詳しく解説しました。
最後に、今回の騒動のポイントを箇条書きでまとめます。
- 事件の発端: 2025年6月7日、GTAVのロールプレイ企画配信中、叶さんとファン太さんが魔界ノりりむさんに対して行ったセクハラと受け取られかねない行為がきっかけでした。
- 炎上の本当の理由: 当事者間ではエンタメ(ロールプレイ)としての認識でしたが、「セクハラシーン」と「りりむさんが別の理由で泣いているシーン」を繋ぎ合わせた悪質な切り抜き動画が海外で拡散。これに日本と海外(特に中国)のセクハラに対する価値観の違いが加わり、大炎上に発展しました。
- 何があったのか: 実際にはロールプレイの一環であり、りりむさん自身は全く嫌がっておらず、むしろエンタメとして楽しんでいました。
- 関係者の対応: 叶さんとファン太さんは「行き過ぎた悪ノリ」として謝罪。りりむさんは「全く嫌な気はしていないので憶測で叩かないで」と明確に否定し、仲間を擁護しました。
- その後の影響: 炎上の影響で、叶さんは中国企業が開発したゲーム「鳴潮」のプロモーション案件を辞退する事態となりました。
- 関係者は誰で何者?: 叶さん、ファン太さん、魔界ノりりむさんは、いずれもVTuber・ストリーマー業界で高い人気と実績を持つ配信者であり、特に叶さんとりりむさんは非常に親しい関係性です。
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