渡邊渚はなぜ中居正広を告訴できない?示談書の「刑事罰を求めない」条項の法的効力と性加害認定の現在

中居正広 週刊女性PRIME
中居正広 週刊女性PRIME

2025年、元タレントの中居正広さん(52)と元フジテレビアナウンサーの渡邊渚さんをめぐる一連の騒動は、今なお大きな波紋を広げ続けています。フジテレビが設置した第三者委員会が「性暴力」を認定した後も、中居さんサイドからの反論や、著名人による発言、そして新たな報道が続き、事態は泥沼化の様相を呈しています。

特に多くの人々の関心を集めているのが、両者の間で交わされたとされる示談書に記された、ある「一文」の存在です。その内容は「今後、渡邊渚さんは中居正広氏に刑事罰を求めない」というもの。この条項は一体何を意味するのでしょうか。

この記事では、複雑に入り組んだ情報を整理し、以下の疑問について徹底的に解説していきます。

  • なぜ中居正広さん側は示談書に「刑事罰を求めない」と記載したのか?その本当の理由とは?
  • この条項があるということは、中居さん自身が「性加害」の事実を認めていたことになるのか?
  • 示談書にサインしてしまった渡邊渚さんは、今後、中居さんを刑事告訴することは本当にできないのか?
  • 橋下徹氏が主張する「失恋事案」との食い違いや、専門家たちの見解は?

本記事を最後までお読みいただくことで、示談書に隠された法的な意味合いや、当事者たちの思惑、そしてこの騒動の核心部分を深くご理解いただけます。それでは、核心に迫っていきましょう。

目次

1. 中居正広が示談書に「刑事罰を求めない」と記載した衝撃の事実

この問題の根幹には、当事者間で交わされた示談書の存在があります。その中に、騒動の性質を読み解く上で極めて重要な一文が含まれていることが明らかになり、議論は新たな局面を迎えました。一体どのような内容だったのでしょうか。

1-1. 週刊文春が報じた示談書の重要条項とは?

最初にこの衝撃的な事実を報じたのは「週刊文春」でした。2025年6月4日配信の記事によると、2024年1月に中居正広さんと渡邊渚さんの間で示談が成立した際に交わされた示談書には、双方の口外禁止義務といった一般的な条項に加え、ある特別な一文が盛り込まれていたとされています。

それが、「今後、X子さん(渡邊渚さん)は中居氏に刑事罰を求めない」という趣旨の条項です。

金銭的な解決をもって民事上の紛争を終結させる示談交渉において、なぜわざわざ「刑事罰」にまで言及する必要があったのでしょうか。この一文の存在が、単なる男女間のプライベートなトラブルではない、事件の深刻さを物語っているのではないかと多くの憶測を呼びました。

渡邊渚さん側は、橋下徹弁護士らが唱える「失恋事案」という見方を「自分の父親と同世代の男性に恋愛感情を抱くことなど1ミリもない」と真っ向から否定しており、この条項の存在がその主張を裏付けているようにも見えます。

1-2. 司法関係者が指摘する「事件化回避」の明確な意図

この「刑事罰を求めない」という条項について、週刊文春は司法関係者の見解を次のように報じています。

「仮に“失恋事案”であれば、その一文は不必要。少なくとも中居氏は事態の深刻さを認識し、事件化を回避したかったと見るのが自然でしょう」

(週刊文春 2025年6月4日配信記事より)

専門家の目から見ても、この条項は極めて異例かつ意図的なものに映るようです。もし本当に、橋下徹氏が示唆するように男女間の「気持ちの行き違い」や「失恋」がトラブルの原因であったならば、将来的に刑事事件へ発展する可能性は通常考えにくく、このような条項を示す談書に盛り込む必要性は低いと言えます。

つまり、中居さん側は、このトラブルが単なる民事上の争いに留まらず、警察が介入する「刑事事件」に発展しうるリスクを当初から認識していた可能性が、この一文から強く浮かび上がってくるのです。この条項は、将来にわたって渡邊渚さんが警察に被害届を提出したり、刑事告訴に踏み切ったりすることを防ぐための、いわば「防御壁」として盛り込まれたと考えるのが自然な解釈と言えるでしょう。

2. なぜ中居正広は「刑事罰を求めない」条項を盛り込んだのか?その理由を徹底考察

では、なぜ中居正広さん側は、あえてこの条項を示談書に含める必要があったのでしょうか。その背景には、単なる金銭解決に留まらない、複数の戦略的な理由があったと考えられます。ここでは、その動機について深く考察していきます。

2-1. 理由1:刑事事件化による致命的なダメージを回避するため

最大の理由は、「刑事事件化」という最悪のシナリオを絶対に回避したかったからに他ならないでしょう。もし渡邊渚さんが被害届を提出し、警察が捜査を開始、そして万が一逮捕や起訴に至った場合、中居さんが受けるダメージは計り知れません。

  • 社会的信用の完全な失墜:「元国民的スター」という輝かしい経歴は完全に地に落ち、社会的な評価は取り返しのつかないものになります。
  • スポンサー契約や関連ビジネスへの壊滅的打撃:既に一連の騒動でスポンサー離れが深刻化していましたが、刑事事件となればその流れは決定的となり、経済的な損失は甚大なものとなります。
  • 法的な処罰の可能性:有罪となれば、懲役刑などの刑事罰が科される可能性も出てきます。

芸能界を引退したとはいえ、これらのリスクは中居さん個人にとって致命的です。示談金を支払うことで民事的に解決を図ると同時に、「刑事罰を求めない」という約束を取り付けることで、将来にわたる刑事事件化のリスクを金銭で封じ込める狙いがあったと強く推測されます。

2-2. 理由2:公の場での事実認定の争いを避けるため

刑事裁判となれば、トラブル当日の出来事が法廷という公の場で詳細にわたって争われることになります。双方の主張、証拠、証言が白日の下に晒され、メディアによる報道も過熱することは避けられません。

中居さん側は、第三者委員会の調査に対しては「合意の上だった」「彼女から交際を確認されるようなことを言われて言葉を濁してしまった」などと説明していたと報じられていますが、渡邊渚さん側は「意に沿わないことであったこと、怖かったこと」を一貫して主張しています。

このように主張が真っ向から対立している状況で、法廷での詳細な事実認定の争いへと進むことは、中居さん側にとって大きな負担であり、たとえ最終的に無罪を勝ち取ったとしても、その過程でプライバシーが暴かれ、イメージがさらに傷つくリスクを伴います。

示談によって早期に紛争を終結させ、この問題を公の争いの場から遠ざけることは、中居さん側にとって極めて重要な戦略だったと言えるでしょう。

2-3. 橋下徹氏の「失恋事案」という見方との矛盾

ここで注目すべきは、橋下徹弁護士が発信し、物議を醸した「失恋事案」という見方との関係性です。橋下氏は、中居さん側の関係者から話を聞いた上で、「いわゆる失恋事案においても、後に意に反していたと相手方女性から主張されただけで社会的抹殺にも等しい最も厳しい制裁が加えられることにもなりかねない」と、今回の件がそれに類する可能性を示唆しました。

しかし、もし本当に「失恋事案」なのであれば、なぜ「刑事罰を求めない」という条項が必要だったのか、という大きな矛盾が生じます。この条項の存在は、中居さん側が内心では「失恋事案」では済まされない、刑事的な責任を問われかねない深刻な事態であると認識していたことを強く示唆しています。

つまり、表向きには「気持ちの行き違い」というストーリーを維持しつつも、水面下では刑事事件化という最大のリスクを回避するための法的な手を打っていた、という二重構造が見えてくるのです。

3. 「刑事罰を求めない」は性加害を自認したことになる?法的な意味合いを解説

「刑事罰を求めない」という一文は、多くの人にとって「罪を認めたからでは?」という印象を与えるかもしれません。しかし、法的な観点から見ると、その解釈はより複雑です。この条項が法的に何を意味するのか、専門的な視点から分かりやすく解説します。

3-1. 結論:直接的に「罪を認めた(自白した)」証拠にはならない

まず結論から言うと、示談書に「刑事罰を求めない」という条項があること自体が、中居さん側が法的に「性加害の事実を認めた」あるいは「有罪であることを自白した」という直接的な証拠になるわけではありません。

日本の法律実務において、このような条項は、性的なトラブルや暴力が絡む事件の示談交渉において、加害者側から提案されることが少なくありません。これは「清算条項」や「宥恕(ゆうじょ)条項」の一種とされ、主な目的は以下の通りです。

  • 民事上の紛争の最終的な解決:この示談をもって、当事者間のすべての問題を解決し、後から新たな請求(民事・刑事を問わず)をしないことを約束させる。
  • 加害者側のリスクヘッジ:事実関係に争いがある場合でも、「仮にあなたの主張が事実だとしても、これ以上は争いません」という形で、将来的な刑事事件化のリスクを回避する目的で使われます。

つまり、事実を認めていなくても、「万が一のリスクを考えて」この条項を盛り込むケースは実務上、珍しくないのです。したがって、この一文だけで「中居氏が罪を自白した」と断定することはできません。

3-2. しかし「刑事になりうる行為だった」というリスク認識の強力な証左

一方で、この条項は極めて重要な意味を持ちます。それは、中居さん側が「自分たちの行為が刑事罰の対象となりうる深刻なものであった」というリスクを明確に認識していたことの強力な証拠(傍証)となる点です。

前述の通り、単なる痴話喧嘩や「失恋事案」で、将来の刑事罰を心配して示談書に特別な条項を入れることは通常ありません。わざわざ弁護士を介してこのような条項を盛り込んだという事実は、以下のことを示唆しています。

  • トラブルの内容が、刑法上の「強制性交等罪」などに該当する可能性を、中居さん側が認識していた。
  • 渡邊渚さんの主張(意に反していた、怖かった等)に、刑事事件化につながるだけの具体性や信憑性があると判断していた。
  • 示談が成立しなければ、渡邊さんが警察に相談し、刑事事件として立件される現実的な危険性があった。

たとえるなら、火災保険に入る行為が「自宅が火事になることを認めた」ことにはなりませんが、「火事になるリスクを認識している」ことの現れであるのと似ています。この条項は、中居さん側が感じていた「刑事事件化への恐怖」の現れと見ることができるでしょう。

3-3. 示談における「宥恕条項」の一般的な効力

被害者が加害者を許し、処罰を求めない意思を示すことを「宥恕(ゆうじょ)」と言います。示談書に「刑事罰を求めない」と記載することは、この宥恕の意思を明確にするもので、「宥恕条項」と呼ばれます。

この条項が示談書に含まれていると、実際に刑事事件として捜査が始まった場合、加害者側に有利な事情として考慮されることがあります。検察官が起訴・不起訴を判断する際に、

  • 当事者間で示談が成立していること
  • 被害者に処罰を求める意思がないこと

これらは、不起訴処分(特に起訴猶予)や、仮に起訴されても量刑が軽くなる方向へ働く重要な要素となります。中居さん側は、万が一事件化した場合のダメージを最小限に抑える「保険」としても、この条項を重視していたと考えられます。

4. 示談書にサインした渡邊渚はもう告訴できないのか?

「刑事罰を求めない」と約束してしまった以上、渡邊渚さんはもう警察に訴えることはできないのでしょうか。これは多くの人が抱く最大の疑問の一つです。結論から言えば、法理論上は「可能」ですが、現実的には非常に高いハードルが存在します。

4-1. 性犯罪における「非親告罪化」の重要な意味

この問題を考える上で非常に重要なのが、2017年の刑法改正です。この改正により、かつて「強姦罪」などと呼ばれていた犯罪は「強制性交等罪」とされ、「親告罪」から「非親告罪」へと変更されました。

親告罪とは?
被害者からの告訴がなければ、検察官が犯人を起訴することができない犯罪のこと。被害者の意思が絶対的な条件でした。
非親告罪とは?
被害者の告訴がなくても、国(検察官)の判断で起訴することができる犯罪のこと。被害者の意思とは独立して、公の利益のために処罰が可能になります。

この改正により、性犯罪は被害者の意思だけではなく、社会全体で対処すべき重大な犯罪であるという位置づけが明確になりました。中居さんのケースも、この非親告罪である「強制性交等罪」に該当する可能性が問われている事案です。

4-2. 理論上は「告訴も捜査も可能」という事実

非親告罪であるため、法理論上は、渡邊渚さんが示談書で「刑事罰を求めない」と約束していたとしても、その約束を破って警察に刑事告訴したり、被害届を提出したりすることは可能です。

なぜなら、示談書はあくまで中居さんと渡邊渚さんという私人間の「民事上の契約」に過ぎません。この契約が、国家の権能である「捜査権」や「訴追権(起訴する権利)」を法的に縛ることはできないからです。

したがって、もし渡邊さんが「やはり処罰してほしい」と考えを変え、警察に相談すれば、警察が捜査を開始することは法的には何の問題もありません。また、極端なケースでは、第三者による告発や、何らかのきっかけで警察が事件を認知し、渡邊さんの意思とは関係なく捜査に着手することも理論上はあり得ます。

4-3. しかし立ちはだかる「被害者協力」という現実的な壁

しかし、理論と現実は異なります。実際に渡邊さんが告訴に踏み切ったり、警察が捜査を進めたりするには、極めて高い「現実的な壁」が存在します。

最大の壁は、「被害者の協力なしに立件することは極めて困難」という点です。性犯罪の捜査・裁判では、被害者本人の具体的で詳細な供述が最も重要な証拠となります。トラブルがあったとされるのは中居さんの自宅という密室であり、客観的な証拠が乏しい可能性が高いです。そのような状況で有罪を立証するには、被害者である渡邊さんが捜査機関に全面的に協力し、一貫した証言を続けることが不可欠です。

しかし、一度「刑事罰を求めない」という条項を含む示談書にサインしている以上、捜査機関側も慎重にならざるを得ません。警察や検察は、「なぜ一度は処罰を求めないと約束したのか」「心変わりした理由は何か」といった点を厳しく問うことになり、供述の信用性が争点になる可能性があります。

また、示談の約束を破ったとして、中居さん側から示談金の返還請求や損害賠償請求といった民事上の訴訟を起こされるリスクもゼロではありません。

これらの事情を総合的に考慮すると、法理論上は告訴が可能であっても、渡邊さんが今から刑事告訴に踏み切ることは、精神的にも法的にも非常に大きな負担を伴うため、現実的には極めてハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。

5. まとめ

今回は、元タレントの中居正広さんと元アナウンサーの渡邊渚さんの間で交わされた示談書に含まれる「刑事罰を求めない」という条項に焦点を当て、その理由や法的な意味合いについて詳しく解説しました。

最後に、本記事の要点をまとめます。

  • 示談書に「刑事罰を求めない」と記載した理由:最大の理由は、刑事事件化による社会的信用の失墜や法的処罰といった致命的なリスクを回避するためと考えられます。公の場での事実認定の争いを避ける狙いもあったと推測されます。
  • 性加害を認めたことになるのか:この条項があること自体が、法的に「罪を認めた」という直接の証拠にはなりません。しかし、中居さん側が「刑事事件になりうる深刻な行為だった」というリスクを明確に認識していたことの強力な証拠(傍証)と見なせます。
  • 渡邊渚さんは告訴できないのか:強制性交等罪は非親告罪であるため、法理論上は今からでも告訴することは可能です。しかし、一度示談に応じている以上、被害者本人の協力が不可欠な捜査・立件は現実的に極めて困難なのが実情です。
  • 問題の核心:この示談書の条項は、中居さん側が「失恋事案」などではなく、刑事罰を科されかねない重大な事案であると認識していたことを浮き彫りにしました。この認識のズレが、泥沼化する騒動の根底にある問題点の一つと言えるでしょう。
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この記事を書いた人

こんにちは、地元めしが大好きなクオーゼイです。

IT業界の片隅で働きながら、人生の潤いを「食」と「情報」に求めて生きています。

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そして、もう一つの好物が「情報」。特に、華やかな芸能界の裏側や、ニュースの行間から見えてくる社会の動きには目がありません。生い立ちが理由…というわけではないですが、政治や公務員の世界に関する「ここだけの話」も、色々知っていたりします。(ブログでどこまで書けるかは、試行錯誤中です!)

ここでは、絶品グルメ情報はもちろん、テレビや新聞だけでは分からない芸能・時事ネタの裏側(?)や、IT業界の小ネタなどを、ざっくばらんに語っていきます。

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