
2025年6月、北海道を代表する菓子メーカー「六花亭」が製造・販売した人気の「カステラ」の一部にカビが発生していることが判明し、約3400本が自主回収される事態となりました。お土産や贈答品としても愛される有名ブランドなだけに、多くの人が衝撃を受けています。
この問題を受けて、「自分が買った商品は大丈夫?」「どこの店舗で販売されたものなの?」「なぜカビが生えてしまったの?」「もし食べてしまったら健康は大丈夫?」といった不安や疑問の声が広がっています。
この記事では、そうした皆様の不安を解消するため、現在までに公表されている情報を徹底的に調査し、分かりやすくまとめました。この記事を読めば、以下の点がすべてクリアになります。
- カビが発生したカステラが販売された店舗の全容
- 自主回収の対象となっている商品の具体的な見分け方
- カビが発生してしまった根本的な理由と原因の分析
- 万が一カビの生えた商品を口にしてしまった場合の健康への影響
- 六花亭の公式な対応と今後の再発防止策
お手元の商品が対象かどうかを確認したい方、事件の全貌を正確に知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 六花亭のカステラにカビが発生、約3400本を自主回収へ
まず、今回の問題がどのように発覚し、六花亭がどのような対応を発表したのか、事の経緯を時系列に沿って詳しく見ていきましょう。北海道を代表する老舗企業に、一体何があったのでしょうか。
1-1. 発覚の経緯は購入者からの連絡【いつ何があった?】
今回の問題が公になったのは、商品を購入した消費者からの指摘がきっかけでした。2025年5月27日、購入者から六花亭に対し「カステラにカビが生えている」という最初の連絡が入ります。この時点では、まだ散発的な事例と捉えられていた可能性があります。
しかし、それから約3週間後の2025年6月15日、同様の問い合わせがさらに2件寄せられたことで、事態は一変します。複数の購入者から同時期に同じ問題が報告されたことから、六花亭はこれが個別の案件ではなく、特定の期間に製造された商品に共通する問題である可能性が高いと判断。迅速な対応へと踏み切ることになりました。
最初の連絡から3件目の報告まで、少し時間が空いている点が気になりますが、これは商品の賞味期限や購入者が開封するタイミングがそれぞれ異なるためと考えられます。いずれにせよ、消費者からの真摯な声が、大きな問題の早期発見に繋がった形です。
1-2. 六花亭の公式発表内容【何を言った?】
複数の報告を受け、六花亭は2025年6月16日に事態を公表し、公式サイト上で「自主回収に関するお詫びとお知らせ」と題した声明を発表しました。その内容は、以下の通りです。
この度、弊社商品「カステラ(8切入)」におきまして、商品の一部にカビが発生していることが判明いたしました。これまでに健康被害のお申し出はございませんが、万全を期すために当該商品を自主回収させていただきます。原因は調査中でございますが、商品の包装不良などが考えられます。
お客様には多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
今後、再発防止に努める所存でございますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。(六花亭公式サイトより引用)
この発表から、六花亭が問題を真摯に受け止め、消費者への健康被害が出ていない段階で、予防的措置として自主回収という決断を下したことが分かります。原因については「包装不良」の可能性に言及しつつも、断定はせず「調査中」としており、慎重な姿勢がうかがえます。企業の誠実な対応を評価する声もある一方で、具体的な原因究明が待たれる状況です。
2. カビが生えていたカステラを販売した店舗はどこ?
多くの方が最も気にされているのが、「一体どこのお店で売られていた商品なのか?」という点でしょう。自分が利用した店舗が対象なのか、不安に感じている方も少なくないはずです。ここでは、販売店舗と回収対象商品の詳細について、詳しく解説します。
2-1. 特定の店舗ではなく全直営店とオンラインショップが対象
結論から言うと、今回の自主回収は特定の店舗に限定されたものではありません。
六花亭の発表によると、カビが発生した可能性のあるカステラは、北海道内にある全ての直営店および公式オンラインショップで販売されていました。つまり、特定の地域や店舗の衛生管理に問題があったわけではなく、製造工場から出荷された時点で、すでに問題を含んだ商品が広範囲に流通していたことを意味します。
そのため、「〇〇店で買ったから安全」あるいは「△△店だから危険」ということはなく、購入場所に関わらず、後述する対象期間・賞味期限に該当するかどうかを確認する必要があります。
2-2. 回収対象商品の詳細と見分け方【自分が持っているものは大丈夫?】
それでは、お手元のカステラが自主回収の対象かどうかを正確に確認する方法を見ていきましょう。六花亭が発表している情報は以下の通りです。この条件に一つでも当てはまる場合は、絶対に食べずに回収手続きを進めてください。
対象商品名 | カステラ(8切入) |
販売期間 | 2025年5月26日 ~ 2025年6月15日 |
対象となる賞味期限 | 25.06.15 ~ 25.07.06 (2025年6月15日~2025年7月6日) |
回収対象数量 | 約3,400本 |
製造工場 | 六花の森工場(北海道河西郡中札内村) |
一番重要なチェックポイントは「賞味期限」です。商品のパッケージに記載されている賞味期限が「25.06.15」から「25.07.06」までの範囲内であれば、回収対象となります。販売期間中に購入した場合でも、賞味期限がこの範囲外であれば対象外です。
また、対象は緑色の箱に入った「カステラ(8切入)」のみで、同じカステラでも一切れずつ個包装されたタイプの商品は今回の回収対象には含まれていません。
2-3. もし対象商品を持っていた場合の対応方法【どうすればいい?】
万が一、お手元のカステラが回収対象商品だった場合は、以下のいずれかの方法で返品・返金の手続きを行ってください。
- 六花亭の店舗に直接持ち込む
お近くの六花亭の直営店に商品を持参すれば、その場で商品代金を返金してもらえます。レシートがなくても対応可能です。
- 料金着払いで郵送する
店舗に行くのが難しい場合は、商品を下記送付先へ料金着払いで送ることで返金が受けられます。郵送する際は、間違いなく返金が受けられるよう、ご自身の「郵便番号、住所、氏名、電話番号」を必ず書き添えるようにしましょう。
【商品送付先】
〒080-2496
北海道帯広市西二十四条北1丁目3-19
株式会社六花亭
繰り返しになりますが、対象商品は絶対に召し上がらないよう、ご注意ください。
2-4. 参考:六花亭の店舗一覧【近くの店はどこ?】
今回の件で初めて六花亭の店舗を探す方もいらっしゃるかもしれません。参考までに、北海道内にある主な直営店を地区別にご紹介します。百貨店やスーパー内のテナントも多数存在します。
- 帯広地区
- 帯広本店
- 西三条店
- 六花亭ガーデン
- 札幌・道央地区
- 札幌本店
- 円山店
- 神宮茶屋店
- 福住店
- 真駒内六花亭ホール店
- 札幌北店
- 森林公園店
- 百合が原店
- 小樽運河店
- 苫小牧店
- 釧路地区
- 春採店
- 鶴見橋店
- 旭川・富良野地区
- 旭川豊岡店
- 神楽岡店
- カンパーナ六花亭
- 函館地区
- 五稜郭店
- 漁火通店
3. なぜカビは生えた?考えられる理由と原因を徹底分析
おいしさと品質で信頼されてきた六花亭の商品に、なぜカビが生えるという事態が起きてしまったのでしょうか。ここでは、公表されている情報や専門的な見地から、その理由と原因を深く掘り下げていきます。
3-1. 六花亭が挙げる根本的な原因は「包装不良の可能性」
六花亭が公式に発表している通り、今回のカビ発生の最も有力な原因は「商品の包装不良」であると考えられています。包装、つまりパッケージのどこかに不備があり、本来密封されるべきカステラが外気に触れてしまったという説です。
製造されたのは、豊かな自然に囲まれた十勝管内中札内村にある「六花の森工場」。ここで製造され、包装される段階で何らかのトラブルが発生した可能性が指摘されています。
具体的には、包装フィルムを熱で圧着して閉じる「シール」と呼ばれる工程で、完全な密封ができていなかったり、包装材に目に見えないほどの小さな穴(ピンホール)が開いてしまったりした可能性が考えられます。こうした不備があると、そこから空気や湿気が侵入し、空気中に浮遊しているカビの胞子が付着・繁殖する絶好の環境が生まれてしまうのです。
3-2. 8切入りのみに発生した理由【なぜこの商品だけ?】
今回の問題で非常に特徴的なのは、カビの発生が「カステラ(8切入)」という特定の商品に集中している点です。同じ工場で製造されているであろう、一切れずつ個別に包装されたカステラからは、同様の報告は上がっていません。
この事実は、カステラの原材料や生地そのものに問題があったのではなく、「8切入」という商品の包装ライン、あるいはその包装資材に特有のトラブルがあったことを強く示唆しています。
考えられるシナリオは以下の通りです。
- 包装機械の不具合: 8切入りの商品を包装する専用の機械に、一時的な不調や設定ミスがあった。
- 包装資材の不良: 使用された包装フィルムのロットに、強度不足や微細な穴などの欠陥があった。
- 作業工程上のミス: 包装工程において、何らかの人的な見落としや手順の乱れがあった。
特に、8切れまとめて一つの大きな袋に入れる包装形態は、一切れずつの個包装に比べてシールの箇所が多かったり、形状が複雑だったりする場合があります。そうした包装形態特有の技術的な難しさが、今回のトラブルの背景にあるのかもしれません。六花亭は現在、この包装工程を中心に詳細な原因究明を進めています。
3-3. 食品のカビ発生メカニズムとは?
ここで少し専門的な話になりますが、なぜ包装の不備がカビの発生に直結するのか、そのメカニズムを解説します。これを知ることで、今回の問題への理解がより深まるでしょう。
カビが繁殖するためには、主に3つの条件が必要です。
- 酸素: ほとんどのカビは呼吸をするために酸素を必要とします。
- 水分: 食品に含まれる水分が、カビの生育に欠かせません。カステラのようにしっとりした菓子は、十分な水分を含んでいます。
- 栄養分: 砂糖や小麦粉など、カステラの原材料はカビにとって格好の栄養源となります。
通常、日持ちするように作られた包装菓子は、袋の中の酸素を取り除くために「脱酸素剤」を同封したり、窒素ガスを充填したりして、カビが繁殖できない無酸素状態を作り出しています。しかし、包装にシール不良やピンホールがあると、そのわずかな隙間から外の空気が入り込み、袋の中の酸素濃度が上昇します。そうなると、脱酸素剤の効果も薄れ、カビにとっては「水分」と「栄養分」、そして「酸素」という全ての条件が揃った快適な環境になってしまうのです。
今回の六花亭のカステラも、本来は完璧な密封によって品質が保たれるはずでした。しかし、何らかの包装不良によってその前提が崩れ、カビの発生を許してしまった、というのが事の真相に近いと考えられます。
4. カビの生えたカステラは食べても大丈夫?健康への影響は?
「もし対象商品とは知らずに食べてしまったら…」と不安に思う方もいるでしょう。ここでは、健康への影響や万が一の際の対処法について解説します。
4-1. 健康被害の報告はなし【現在の状況】
まず最も重要な点として、六花亭の公式発表および各社の報道によると、2025年6月17日現在、今回のカビが生えたカステラを食べたことによる健康被害の報告は一件もありません。
最初にカビを発見した購入者も、食べる前に気づいたとされています。六花亭が健康被害の報告がない段階で、予防的措置として迅速に自主回収に踏み切ったことは、被害の拡大を防ぐ上で非常に重要な判断だったと言えるでしょう。この迅速な対応により、今のところ消費者の健康を脅かす事態には至っていません。
4-2. もし誤って食べてしまったらどうなる?
現時点で健康被害は報告されていませんが、一般論として、食品に生えたカビを摂取することにはリスクが伴います。カビの中には、マイコトキシンと呼ばれる有毒な物質を作り出す種類があり、アレルギー反応や食中毒(下痢、嘔吐など)の原因となることがあります。
もちろん、少量口にしたからといって、必ずしも健康に害があるわけではありません。しかし、万が一、回収対象の商品を食べてしまった後に、体調に何らかの異変を感じた場合は、速やかに医療機関を受診し、医師に相談するようにしてください。その際は、「六花亭のカステラを食べた可能性がある」と伝えると、よりスムーズな診断に繋がります。
重ねてお伝えしますが、お手元の商品が回収対象だと判明した場合は、絶対に口にしないでください。
4-3. 行政(保健所)の対応と安全性確保の動き
食品に関する問題が発生した場合、企業は管轄の保健所など行政機関に報告する義務があります。今回も、六花亭は地元の帯広保健所など関係各所と連携を取りながら対応を進めていると考えられます。
保健所は、企業からの報告を受け、自主回収が適切に行われているかを確認するとともに、必要に応じて製造工場への立ち入り調査などを実施し、衛生管理体制や原因究明の状況を監督します。このように、企業の自主的な対応だけでなく、行政による公的なチェック機能が働くことで、消費者の安全確保が図られています。
食中毒などの健康被害が発生していないため、行政からの大々的な発表はありませんが、水面下では再発防止に向けた指導や監督がしっかりと行われているはずです。消費者は、こうした公的な監視体制があることも、一つの安心材料として捉えることができるでしょう。
5. 六花亭の今後の対応とまとめ
今回の問題を受け、六花亭は今後どのように信頼を回復していくのでしょうか。最後に、企業の再発防止策と、この問題の要点をまとめます。
5-1. 六花亭が目指す再発防止策
六花亭は公式発表の中で「今後、再発防止に努める所存でございます」と明確に約束しています。具体的な対策は原因究明の結果を待ってから正式に発表されると思われますが、主に以下のような対策が講じられると予想されます。
- 包装工程の総点検と改善: カビ発生の原因と見られる包装機械のメンテナンス強化、設定の見直し、あるいは最新機器への更新。
- 品質管理体制の強化: 完成品の密封状態をチェックする検査工程(例:水槽検査、真空検査など)の導入や、検査頻度の増加。
- 作業員への再教育: 包装工程に関わる全従業員に対し、手順の遵守と品質意識の向上を目的とした研修を徹底。
- 包装資材の見直し: 現在使用している包装フィルムの強度や品質を再評価し、より安全性の高い資材への変更を検討。
信頼回復への道は容易ではありませんが、原因を徹底的に究明し、実効性のある再発防止策を誠実に実行していくことが、消費者の信頼を取り戻すための唯一の道となります。
5-2. 六花亭とはどんな会社?試される真価
ここで改めて、六花亭という企業について触れておきます。1933年に帯広で創業して以来、六花亭は「マルセイバターサンド」をはじめとする数々の銘菓を生み出し、北海道を代表する企業へと成長しました。その根底には、創業時から受け継がれる「最上の原料を使うこと」「地域に根ざしたストーリーを大切にすること」といった強いこだわりがあります。
また、従業員の有給休暇100%取得や、児童詩誌『サイロ』の発行、中札内美術村の運営といったメセナ活動など、利益追求だけでなく、文化や地域社会、従業員を大切にする企業姿勢でも知られています。こうした長年の取り組みで築き上げてきたブランドイメージがあるからこそ、今回の事件に衝撃を受けた人も多かったはずです。
失敗はどの企業にも起こり得ます。重要なのは、その失敗にどう向き合うかです。六花亭がこれまで培ってきた真摯な企業文化をもって今回の問題に対応し、より安全で高品質な製品づくりへと繋げていくことができるか、その真価が今、問われています。
5-3. 六花亭カステラのカビ問題 要点まとめ
最後に、今回の問題について重要なポイントを箇条書きでまとめます。
- 何があった?: 六花亭の「カステラ(8切入)」にカビが発生し、自主回収が実施された。
- 販売店舗はどこ?: 特定の店舗ではなく、北海道内の全直営店と公式オンラインショップで販売されたものが対象。
- 対象商品は?: 賞味期限が「2025年6月15日~7月6日」の「カステラ(8切入)」。
- 原因はなぜ?: 製造工場での「包装不良」が最も有力な原因と見られている。
- 食べて大丈夫?: 現時点で健康被害の報告はないが、対象商品は絶対に食べないこと。
- どうすればいい?: 対象商品を持っていたら、店舗への持参か着払い郵送で返金対応を受ける。
- 今後の対応は?: 六花亭は原因究明と再発防止に努めると発表している。
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